石川雲蝶は「越後のミケランジェロ」と呼ばれた幕末から明治初期に活躍した名匠です。
1814(文化11)年に江戸で生まれた石川雲蝶は、江戸彫刻石川流の技術を習得し美術的才能を開花。
30代前半(天保年間)に、彫物師としての天賦の才能を見込まれ、三条に移住したそうです。
その後1883(明治16)年、70歳で天寿を全うするまで、新潟県内の神社仏閣に多くの木彫りや石彫などを残しております。
さて、今回参拝した加茂市上土倉の集落の鎮守として祀られる「十二神社」本殿にも、
石川雲蝶の彫刻が残されております。
以前から、この神社の存在は知っていたのですが、山の中にポツンとある集落内に目立った目印看板もなく、グー●ルマップだけを頼りに、該当の上土倉集落に向かいました。
山道を抜けた先に広がる農地と密集気味の住宅の中で、ようやく紅い鳥居を発見。
住宅横のちょっと狭い通路を抜けると、十二神社の拝殿が見えてきます。
拝殿には説明看板も設置してありました。
拝殿から本殿正面の彫刻を眺めるのは、少し無理がある感じなので、狭い脇道を通り、拝殿に向かいます。
拝殿の横を抜けた先に見える本殿は柵で囲われており、正面から石川雲蝶の彫刻を鑑賞することは難しいようです。
という事で、石川雲蝶の作品群を鑑賞するには、本殿脇の隙間からのぞく形になります。
確認されている石川雲蝶のが手掛けた作品は、計7点。
まずは本殿向拝にある「水引虹梁の中備の龍」。
左右の向拝柱上部にあると「獅子」と「鼻象」各一対(4点)。
あと、用事ついでに伺ったので時間なく、写真撮れませんでしたが。
及び本殿左右の協障子にある、古代中国の神話に登場する聖君・堯の故事にちなんだ「許由洗耳図」と、「巣父と牛図」も石川雲蝶の作品なんだそうです。
さすが石川雲蝶が手掛けた木彫りだけあって、今にも動き出しそうな彫刻ですね。
十二神社
鎮座地:加茂市上土倉390