加持顕の日々是新潟

新潟県新発田市在住の加持顕(かじあきら)が、県内の観光・イベント、グルメ的な情報をきまぐれに投稿するブログです。

山岳仏教の拠点・山寺薬師の「延命清水」(上越市板倉区東山寺)【新潟県の名水】

新潟県の名水」巡り上越編、4ヶ所目で予定時間となりましたので、他は後日訪問。

 

さて、今回「新潟県の名水」巡りで最後に訪問したのは、長野県境に接する新井市から、少しだけ海側に移動した、上越市板倉区東山寺という地区。

人の往来も少ない山あいにある、山寺薬師裏参道入口脇にひっそりとあった湧水、「延命清水」です。

 

山岳仏教の拠点・山寺薬師の「延命清水」(上越市板倉区東山寺)【新潟県の名水】

 

地図たよりに山寺薬師の駐車場にたどりついたものの「延命清水」看板も見あたらず。

かすかな「水音」だけをたよりに舗装された道路を登った先にあったのが、裏参道入口敷の横にある湧水場所。

石仏や祠が並ぶ、なかなか趣のある場所でした。

 

山岳仏教の拠点・山寺薬師の「延命清水」(上越市板倉区東山寺)【新潟県の名水】


 妙高市街地からの道筋はざっとこんな感じ。

 

国道292号線より、県道254号線(上小上越妙高停車場線)の下久々野交差点を「地すべり資料館」の看板を目印に、くびきのパノラマ街道に進みます。

板倉区猿供養寺地区、「地すべり資料館」入口付近の案内板に従い、大熊川と平行する山道をひたすら登った場所に、「延命清水」湧き出る「山寺薬師」があります。

 

山岳仏教の拠点・山寺薬師の「延命清水」(上越市板倉区東山寺)【新潟県の名水】


前述の通り、参道手前に整備された駐車場に車を停め、徒歩で舗装されら坂道を登った先に、「延命清水」湧き出る裏参道入口を見つける事が出来ました。

 

山岳仏教の拠点・山寺薬師の「延命清水」(上越市板倉区東山寺)【新潟県の名水】


ここの清水は、樹齢700年を超える樹林の下方から枯れる事無く湧き出しており、「若がえりの水」、「万病にきく水」とも言われる霊水との事。

 

山岳仏教の拠点・山寺薬師の「延命清水」(上越市板倉区東山寺)【新潟県の名水】

難病の人々も、湧水の一滴で命が救われた事から、「延命清水」と呼ばれているそうです(参考文献等確認してないので真偽不明)。

 

山岳仏教の拠点・山寺薬師の「延命清水」(上越市板倉区東山寺)【新潟県の名水】


「延命清水」湧き出る場所の真上の岩山には、不動明王やお稲荷さんなどが祀られており、弘法大師空海)が全国各地に広めた「山岳仏教の拠点」としての面影を感じる事が出来ました。

 

そういえば、弘法大師に関わる湧水は上越地区のみならず、新潟県内各地にありますね。

弘法大師がからむ山岳仏教というか密教と、湧水地の伝承に関しては、少し関係性を整理してみるのも面白いかも・・・と思ったり。

 

山岳仏教の拠点・山寺薬師の「延命清水」(上越市板倉区東山寺)【新潟県の名水】


蛇足ですが、山寺薬師は千数百年前「紀躬高」によって開かれたお寺だそうで。

「紀躬高」は大同年間(806~809)頃、越後国司としてこの地に赴任した人物のようです。

が、彼の正体が「板倉区猿供養寺地区に伝わるの伝説」では、聖僧が書きかけた写経を完成してもらうため、「猿から人に転生した姿」だとされているようで、ここにも仏教に起因した伝説が残っているというらしいです。


ただこの「二猿伝説」、胎内市の古刹・乙宝寺に伝わる話と同じようで、遠く離れた場所に同一の伝説が残る謎は、そのうち調査してみたいと思います。

ネット上では既に、詳しく考察している方もいらっしゃるみたいですね・・・。

 

さらに「大同年間」は、神社仏閣創建の年と伝わる事が非常に多い年号らしく、弘法大師空海)が広めた山岳仏教の謎も顔をちらりと出したりします。


考察に値する興味深い伝説が各地に残る「上越市板倉区」。いずれ再訪する価値のある場所のようです。

 

山岳仏教の拠点・山寺薬師の「延命清水」(上越市板倉区東山寺)【新潟県の名水】


延命清水【新潟県の名水】

住所:上越市板倉区東山寺(山寺薬師の境内脇)

 

 

 

eshin.org

 

参考までに、上越市板倉区の酒蔵を紹介しようと思ったら2019年11月現在、稼動してる酒蔵はないんですね。

 

「谷乃井酒造(上越市板倉区曽根田)」は、2014年9月末で廃業。


「加茂乃井酒造(上越市板倉区田屋)」は、2010年頃から製造休止。

だそうです。

 

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