加持顕の日々是新潟

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宇宙戦艦ヤマトをつくった男 西崎義展の狂気【講談社α文庫】を読んで。

豊田有恒 - 「宇宙戦艦ヤマト」の真実【祥伝社文庫】」を読んでしばらくしてから、「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章・天命編」を、新潟の劇場で鑑賞致しました。

 

関連する前の記事は、こちらからどうぞ。

kajiakira.hatenablog.com

 

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イオンシネマ新潟南での「ヤマト2202第四章天命篇・舞台挨拶付」では映画上映後、羽原信義監督、福井晴敏さんが登壇。

作品上映中、私の前の席にいた人が漫画家のむらかわみちおさんで、舞台挨拶途中から登壇するサプライズもあり、なかなか面白い体験でした。

 

 

さて最近、古参ファンにも人気が高いリメイク作品「宇宙戦艦ヤマト2199」、そして「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」に登場するのが、ガミラス帝国の総統・デスラーです。

リメイク版では「アベルト・デスラー」というフルネームが用意され、暗殺されかけたり、人民もとろもヤマトを抹殺しようと企み、逆にヤマトに反撃喰らうなど、前作以上の無双というか非情っぷりが気になっていたのですが、モデルになった人物に皮肉を込めて似せているのではないかと思い至った訳で。

 

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そうなると、性格モデルになったらしい、「負の人徳」とも表現される西崎義展プロデューサーの評伝を俄然、読みたくなりました。


宇宙戦艦ヤマトをつくった男 西崎義展の狂気【講談社α文庫】」

 

「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気 (講談社+α文庫)

「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気 (講談社+α文庫)

 

 

約450ページにも渡る本書は、「愛とロマン(皮肉込め)」に生涯を捧げ、何より「宇宙戦艦ヤマト」という大ヒットアニメに、全てを捧げた独立プロデューサーが紡ぎだした「光と影」の物語です。

 

また、漫画の神様・手塚治虫氏を筆頭に、有能な人材を「篭絡」しては、徹底的な「搾取」を繰り返す、西崎Pの天下無双ぶりが堪能出来ます。

「搾取」で得た金が、銀座での豪遊、愛人、船、複数台のハーレーダビットソンに消えたという事実を突きつけられるに、「独立プロデューサー」として、最後まで天下無双を続けた西崎Pの壮絶なる「生き様」に、呆然することしばし。

 

どんな破天荒な漢であっても、独立プロデューサーとして「宇宙戦艦ヤマト」を成功に導いた功績は称えるべきでしょう。

 

漫画家・松本零士氏との裁判もありましたが、この裁判で西崎Pが「宇宙戦艦ヤマト」の原作者である事が確定してしまいました。
なお松本零士氏は「設定・デザイン」担当であったことで決着した模様。

 

 

第一報がもたらされた当初から「ついに、殺されたのではないか?」と噂された、船上からの転落死に関する仔細も書かれており、この船「YAMATO号」が、山崎貴監督の実写による、「キムタク版宇宙戦艦ヤマト」こと、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」でせしめた原作料(2億円だったらしい)で購入された事も初めて知りました。

 

しかし「YAMATO」から転落して死亡というのは、あまりにも出来すぎた死に様であったような。

 

西崎Pは存命であれば、購入後に大改造を施した「YAMATO」号から予定していた続編を制作指示する予定だったとか。

 

最後まで「愛とロマン(皮肉ですが)」に執着した、西崎義展プロデューサーのブレない生き様が窺い知れるエピソードではありますけどね・・・ね。