三条市、JR信越本線・保内駅の近くに、新元号「令和」で話題になり、出版業界大喜びらしい「万葉集」ゆかりの、「万葉の藤」[三条市指定文化財(天然記念物)]がある事を知り、立ち寄ってみました。
車だと、国道403号線の上保内交差点を曲がり、布施谷川沿いの道路をしばらく進みます。
案内看板が横にある橋を渡るとすぐ、田圃の中にポツン見える、鳥居と祠が見えてきます。
ここは「藤ノ木権現」と呼ばれており、近くの井栗集落内にある延喜式蒲原郡「伊久礼神社」の旧鎮座地らしい、とのこと。
この藤が「万葉の藤」と呼ばれる由来は、「万葉集」第17巻に収録された歌からだそうで。
[原文] 伊毛我伊敝尓 伊久里能母里乃 藤花 伊麻許牟春<母> 都祢加久之見牟
[訓読] 妹が家に 伊久里の杜の 藤の花 今来む春も 常かくし見む
[仮名] いもがいへに いくりのもりの ふぢのはな いまこむはるも つねかくしみむ
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この歌に詠まれた「伊久里の杜」比定地の一つが、三条市のこの地(井栗)とのこと。
「伊久里の杜」比定地はその他、「越中説(富山県砺波市栗谷・栴谷神社 )」と、「大和説(奈良県奈良市横井1・穴栗神社 )」があるそうな。
ネットをざっと眺めると、各地とも「此処が伊久里の杜!」と、断定口調に記載しているんで、「邪馬台国」論争みたいになりそうな予感しかしないので、論議は避けよ(汗)。
で、訪問時、何組かの地元民と成り行きでお話しなどを。
10年前と比べ、「藤の花」がかなり少ないらしいです(リンク先に写真載ってます)。
今は緑の葉っぱの中に、かすかに「藤の花」が見えるくらい。
遠くから眺めると、単なる「新緑生い茂る木」にしか見えません・・・。
ネットを眺めると、5年位前頃までは、まだ紫の花も見ごたえあったようですが、現在は延びる枝も少なくなってるような感じです。
三条市のホームページで、「万葉の藤」が容易に検索出来ない状態なのは、このためか(勘ぐり、その1)。
なお数日前位から某地元新聞紙の記事が、各サイトに転載されてますね。
新元号「令和」が「万葉集」由来であり、この「万葉の藤」にも注目が集まるというのに、「藤の花」が全然咲いてない事を暗に揶揄して、三条市の担当者を困らせてる感じでなんだかなあ・・・と(勘ぐり、その2)。
新聞記事にして全国配信するなら市役所の他に、藤の保存に尽力してる「万葉の藤管理組合」にも、取材すれば良かったのに・・・。
2016年に、「新潟県文化財保護連盟から文化財保護功労者として表彰」されてるそうなんで、まさか組合が解散してるとかは、ないでしょうに・・・。
まあ「令和」になった事を契機に、地元の人が「藤の木」回復に本腰を入れる事を期待しましょう。
三条市も回復支援のための補助予算、つけてくれればいいのに。
あと、三条市の和菓子屋さんが、「万葉の藤饅頭」とか作ればいいのにねえ。
「藤のソフトクリーム」とかも、ありか。
万葉の藤[藤ノ木権現]
住所:三条市白山新田1(三条市井栗地区)
<電車だと>
JR信越本線・保内駅より、2.3 km(徒歩28分)
<車で>
国道403号線・上保内交差点付近に案内看板あり。
布施谷川に沿って北(海側)へ向かい、案内看板がある北野橋を渡ってすぐ。