2020年3月、日本では「春のお彼岸」の時期でございます。
そんな中、全世界に広がる「新型コロナウィルス禍」を避けるべく、「疫病除け祈願」として福島潟そばに鎮座する「須佐之男神社(新発田市天王613)」を参拝してきました。
という事で、福島潟に江戸時代後期現れた「予言獣」ネタと合わせ、ご紹介してみようと思います。
写真は3月19日、加治川治水記念公園に植樹されている早咲きの桜です。
さて。
いつもであれば、年度末の慌ただしさと、桜の開花と共に「春の到来」の嬉しさが混在した活気溢れる時期なはずですが・・・。
今年2020年は突然、全世界的に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」という「疫病」が発生。大混乱に陥っております。
各国で感染被害をくい止めるために外出自粛が発令されたりしており、連鎖的に株式市場が暴落したりと世界情勢が不安定になってきました。
「こんな時にこそ、神頼み」
という事で、少し前から「疫病除け(災難消除)」のご利益があり、参拝し易い距離にある新潟県内の神社を延々、調べておりました。
さて、平安時代の頃から、疾病(伝染病)は「行疫神」がもたらすものだと信じられており、該当する神様が「牛頭天王」や「須佐之男(素戔嗚尊)」なんだだそうで。
そこで、新潟県内で「牛頭天王」を祀る神社を調べてみると「牛頭天王社」、「須賀神社」、「津島神社」、「祇園社」などがありますが・・・何故か、新発田市付近に多いんですよね「牛頭天王」を祀る神社。
その経緯は、時間のある時に追及してみたいと思います。
あと明治初めの神仏分離令のため、「牛頭天王」を祀る神社は、祭神を「須佐之男(素戔嗚尊)」に変えてる事例が多いらしいですね。
「牛頭天王」や「須佐之男」を祀る事は「祇園信仰」と呼ばれ、京都の八坂神社「祇園御霊会(御霊会)」が一番有名だそうで・・・。
平安時代にはじまった「御霊信仰」を元に、「疫病除け(災難消除)」の願いを込めたのが「祇園信仰」のようです。
色々調べていくと、「疫病除け祈願」に参拝し易い神社は福島潟のそば、豪農の館・市島邸至近に鎮座する「須佐之男神社(天王神社)」が一番近い。
という事で、新発田~阿賀野方面に移動が必要な用事の合間に、「疫病除け祈願」参拝してきました。
●須佐之男神社(新発田市天王613)
国道460号そば、JR羽越本線・月岡駅 から1.2km(徒歩約16分)付近です。
niigata-kankou.or.jp
前述の通り、元々は「天王神社」として「牛頭天王」を祀る神社(天王宮)だったのが、神仏分離令により祭神が「須佐之男命」に変わり、「須佐之男神社」と名称変更された模様。
社殿に背中合わせで拝殿が2つあるという珍しい形式の神社。
拝殿にあわせ、鳥居も二つあります。
「須佐之男神社」の額が見える拝殿には「須佐之男命」を奉ってます。
「天王神社」の額が見える拝殿には須佐之男命の妻である「櫛名田姫命」を奉る神社となっております。「櫛名田姫命」は縁結びと子孫繁栄・五穀豊穣の神様。
毎年7月4日~5日、露天が出て大勢の人で賑わう「天王祭り」が開催されるようです。
なお至近に、「牛頭天王」を祀る「牛頭天王社(新発田市本田1851)」と、「潟端天王神社(新潟市北区新鼻486)」があるようです。
こちら「須佐之男神社(新発田市天王)」との関係は今の処不明なので、時間のある時に、追加調査してみようと思ってます。
帰り際、車に乗り込もうとしたら・・・。
この付近の昆虫達は、「縁結びと子孫繁栄・五穀豊穣の神様」に自らの行為を見せつけて、ご利益祈願するのか・・・密教系の祈願方法かよ(伝奇もの好きにしかわからんネタか)。
さて今、巷で話題の「尼彦」・「アマビエ」と呼ばれる「予言獣」が話題になってます。
写真は、2019年春頃の福島潟の様子。
それと似た事例として江戸時代末期頃、新潟の福島潟に「神社姫」と呼ばれる系統の「怪異(予言獣)」が現れたという記録があるそうで。
新潟県立博物館の方が話題にしてたので、調べてみました。
●【越後国に光り物出て予言する】新潟県立博物館(Twitter より)
ここで参考資料として出てくる絵図は、国立歴史民俗博物館所蔵の「海出人之図(越後国福嶋潟)」のようです。
「越後国福島潟に現れた予言獣」は、江戸時代末期に起きた事件や噂などを、藤岡屋由蔵がまとめた情報本「藤岡屋日記」に、記載があるそうです。
写真は、2019年春頃の福島潟の様子。
嘉永二(1849)年4月中旬、越後国蒲原郡新発田城下の脇にある福島潟に、夜な夜な人を呼ぶ女性の声がするため、ある夜、柴田忠三郎という侍が正体を確かめに行ったそうで。
すると、「水底に住む者」だと名乗る光明を放つ予言獣が現れ、
「当年より5年間は豊年(稲の豊作)となるが、11月頃より流行病で人六分通り(6割)死す。され共、我が形か画を伝え見る者はそれを免れる。この事を世に知らせよ。」
と言い放ち、水の中に姿を消したので6月頃より、絵図を街中で売り歩いた。
つまり「不安を煽り」、自ら作成した「絵図を売り捌こうとする」者が居たらしいですね。
いつの世にも、こういう、ちゃっかりした人が居るという事で(笑)。
●歴史系総合誌「歴博」第170号-連載「歴史の証人-写真による収蔵品紹介-」
風説と怪異・妖怪-流行病と予言獣
www.rekihaku.ac.jp
●「予言獣」については、中山勘太郎さんの「異界倶楽部」というブログ記事(2017年04月30日)が詳しいです。
予言する不安心理 -予言獣から未来人まで-
saberismywife.seesaa.net
蛇足ついでに、予言する妖怪(予言獣)と言われ、真っ先に思い出したのが、牛の体に人間の顔がついた「件(くだん)」だったりします・・・。